ゆうがたタクシーで家に帰るとちゅう、タクシーがとまってなかなか動こうとしませんでした。みると、道を通せんぼするかのように、大きな大きな犬がねそべっていました。運転手さんは「こまった、こまった」といいながら、近所の人たちを呼びに行きました。だれもどこの犬かわからないし、こまりました。みんなで犬をわき道にはこんで、タクシーは無事に動き、私は家に着いたものの・・・・・あの犬のことが気になって、気になって、またもとのところまでひきかえしました。やっぱり大さわぎになっていて、「どうしよう、どうしよう」と、みんなでわいわいさわいでいました。けれど、ひとり減り、ふたり減りで、けっきょく私ともうひとりの人だけのこり、とほうにくれた時のこと・・・。
今、思い出しても頭がくらくらになってしまいます。

くりすますのいぬ
出版社:
至光社
著者:
いもとようこ/絵と文
初版年月日:
1988年1月
サイズ:
1冊 26×26cm
価格:
1260円(税込)