母のことを考えるとき、私は、いつもこの「きつねとぶどう」のお話を思いだします。
子どものころ、母さんの気持ちなど、ちっとも考えないで、わがまま勝手ばかり言っていた私。
6人の子どもがいて、たいへんだった母。
いつだって、だれよりも早く起き、みんなが寝しずまるまで働いていた。
母さんは、はじめから母さんとして、生まれてきたように錯覚していた。だから、母さんなんだから、母さんなんだからと・・・・・。
どうして、どうして、いろんなこと、わからなかったのだろう・・・・と、悔やまれてしかたありません。
___今、私は、このお話のこぎつねのように、何度も、何度も、くりかえします。
「母さん、ほんとうにありがとう。」

きつねとぶどう
出版社:
金の星社
著者:
坪田譲治/作
いもとようこ/絵
初版年月日:
2005年9月
サイズ:
31p 31cm
価格:
1365円(税込)